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ワット・アルンと三島由紀夫について

「ワット・アルン(暁の寺)」は、かつては第一級寺院だったこともあるほど由緒正しき寺院です。

アユタヤ王朝の崩壊後、ワット・アルン(暁の寺)は、当時のタークシン王によって第1級寺院とされました。

現在「ワット・プラケオ(エメラルド寺院)」に祀られ、その名の由来ともなったエメラルド仏も、もともとはこの寺院の本尊として祀られていたものなのです。

しかしタークシン王時代の崩壊とともに第一級寺院は「ワット・プラケオ(エメラルド寺院)」へ移転され、エメラルド仏もこの寺院を離れることになったのです。

三島由紀夫の『暁の寺』は、この寺をモチーフにしたといわれます。

彼はこの寺の象徴ともいえる塔を「塔の重層感、重複感は息苦しいほどであった。

色彩と光輝に充ちた高さが、幾重にも刻まれて、頂きに向かって細まるさまは、幾重の夢が頭上からのしかかって来るかのようである」と表現しています。

中心に大きくそびえる大仏塔と、その周りに4基の仏塔は、バンコクの、そこまでも青い大空のもと、眩しすぎるほどの陽の光を浴びて輝いています。

光の粒に包まれたような大仏塔を見上げれば、三島由紀夫でなくともため息がでます。

「アルン(暁)」の「ワット(寺院)」といわれるだけあって、その暁時の美しさ・・・暁に染まり、チャオプラヤー川越しに映る姿は目を見張ります。

しかし沈む夕陽を背景に、オレンジ色のシルエットが浮かびあがる姿もまた、違った魅力です。