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チャクリー宮殿の構造について

暁の寺として有名なワット・アルンには、インドのヒンズー教の影響が濃厚に体現され、タイ仏教とヒンズー教の密接な関係が窺えます。

一方、このチャクリー宮殿には、西洋ビザンチン様式の影響が強く、それにタイ様式が随所に見事に織り込まれ、不思議な折衷様式を生み出しています。

建物は3階建てで、1階にはレセプション・ホールや国王警備兵の詰め所があります。

2階は謁見の間です。

そして3階には王家の遺骨が安置されています。

建設当初、この宮殿の右翼には王の住居があり、左翼には後宮があったといわれます。

王子は子ども時代をこの後宮ですごしたのです。

チャクリー宮殿の建設を命じたラマ5世時代、この後宮には約3000人の女性が住んでいたといわれます。

日本の大奥に似た存在だったのでしょうか?

2階の謁見の間に足を踏み入れると、まるでヨーロッパの古城を訪れたような気分になります。

しかしよく目を凝らすと、そこには確かにタイの伝統が息づいていることに気づかされます。

豪華なシャンデリアの下にタイとヨーロッパのエッセンスを組み合わせた見事な装飾の玉座がしつらえてあります。

周囲の壁を見渡すと、歴代の国王や王妃の肖像画や、写実画などが飾られています。

現在、王宮には王は住んでいません。

もっぱら、戴冠式や王室儀式、およびVIPを迎える迎賓館としての役割です。

チャクリー宮殿二階の謁見の間も、現在は、外国使節の信任状を受理する場として使用されており、公開されていません。

しかしこのチャクリー宮殿を訪れるとき、タイという国が諸外国のエッセンスをいかに柔軟に取り込んできたか、その柔らかな、しなる強さを実感するのです。